「iPhone 7C」という言葉を聞いたことはありますか?
2016年、iPhone 7シリーズの発売前に、多くのメディアで噂されていた機種です。
しかし実際には、この機種は発売されることはありませんでした。
代わりに登場したのが、今でも多くのファンを持つiPhone SE(初代)だったのです。
今回は、iPhone 7Cを巡る噂の真相と、アップル社の実際の戦略について、詳しく解説していきましょう。
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iPhone 7Cという噂の真相
2016年初頭、テクノロジーメディアを賑わせていた噂の一つが「iPhone 7C」でした。
これは、2013年に発売されたiPhone 5cの後継機として期待された機種だったんです。
アップルさんはiPhoneのスペック控えめ廉価版モデルってもう作る気無いんじゃなかろうか。iPhone5Cとか黒歴史っぽいし。
— narumo_to(なるもと。) (@narumo_to) September 11, 2024
実はこの噂が広まった背景には、アップル社の廉価版iPhone戦略に対する期待がありました。
私も当時、「手頃な価格のiPhoneが欲しい」というユーザーの声をよく耳にしたものです。
噂の出どころを探る
この噂が広まったのは、主に2015年末から2016年初頭にかけてでした。
中国のサプライチェーン関係者からの情報として、新しい廉価版iPhoneの製造準備が始まったという話が出回りました。
実際のところ、これはiPhone SEの製造に関する情報だった可能性が高かったのです。
iPhone Cシリーズの歴史を振り返る
iPhone 7Cの噂を理解するために、まずはiPhone Cシリーズの始まりである「iPhone 5c」について見ていく必要があります。
2013年9月に発売されたiPhone 5cは、アップル社として初めての試みだったんです。
iPhone 5cの特徴と市場での位置づけ
iPhone 5cは、ポリカーボネート素材を使用した鮮やかな5色展開(白、ピンク、黄、青、緑)が特徴でした。
価格は、当時のフラッグシップモデルよりも1万円ほど安く設定されていました。
内部的にはiPhone 5とほぼ同じスペックを持ち、A6チップを搭載し、4インチRetinaディスプレイを採用していました。
デザイン重視の、若い世代をターゲットにした戦略製品だったと言えるでしょう。
iPhone5Cは製造終了へ
iPhone 5cは、発売翌年には取り扱い終了となりました。
カラフルなデザインは話題を呼びましたが、実際の販売台数は当初の予想を下回ったと言われています。
黒歴史by iPhone5c…。
確かにCを意思を持つモデルですね。まぁ、こいつの存在が、 iPhone5sの価値を持ち上げたことは間違いない!
— 超タオタオⅡ (@taotao1974) December 25, 2022
価格差を踏まえても、多くのユーザーが追加投資してフラッグシップモデルを選択する傾向があったようです。
また、ポリカーボネート製のボディは、アップル社の代名詞とも言えるプレミアム感のあるアルミニウムボディと比べると、やや安っぽく感じられるという評価も少なくありませんでした。
このような市場からのフィードバックを受け、アップル社はiPhone 6シリーズでCモデルの展開を見送ることを決定したのでしょう。
廉価版iPhoneの新たな形:iPhone SE初代の登場
2016年3月21日、アップル社は噂されていたiPhone 7Cではなく、iPhone SE(Special Edition)を発表します。
これは、多くのユーザーの予想を裏切る形での登場でした。
iPhone SE初代の革新的な戦略
iPhone SEの価格は16GBモデルで52,800円という、衝撃的な設定でした。
当時のフラッグシップモデルiPhone 6sよりも3万円近く安い価格です。
しかも内部スペックはiPhone 6sと同じA9チップを搭載し、1200万画素のカメラも備えていました。
4インチという小型ボディに最新スペックを詰め込んだこの戦略は、見事に的中したんです。
コンパクトなスマートフォンを求めるユーザーの声に、アップル社が明確に応えた形でしたね。
なぜ7CではなくSEだったのか
ここで多くの方が疑問に思うのが、「なぜアップル社はCシリーズを継続せず、SEという新しいラインを作ったのか」ということですよね。
実は、これには深い戦略的な理由があったと私は考えています。
iPhone 5cの販売実績から、アップル社は重要な教訓を得ていたのではないでしょうか。
アップル社の戦略的判断
iPhone 5cは「安価なiPhone」というイメージが先行してしまい、プレミアムブランドとしてのiPhoneの価値を少なからず損ねる結果となっていました。
そこでアップル社は、「安価」ではなく「コンパクト」という新しい価値を前面に押し出すことを選んだのでしょう。
皆が忘れたiPhone5c、彼が本当の”初代iPhoneSE”だったのではないかと思ってる
— すずおじ (@suzu_k1ng) October 4, 2022
SE(Special Edition)という名称には、特別なモデルとしての位置づけを明確にする意図が込められていたんです。
やはりAppleといえば品質へのこだわりですから、私から見ても、これは非常に賢明な判断だったと思います。
その後の廉価版iPhoneの展開
iPhone SE初代の成功は、その後のアップル社の戦略にも大きな影響を与えることになります。
2020年にはiPhone SE(第2世代)が登場し、さらに2022年には第3世代も発売されました。
この成功の流れを見ると、Cシリーズではなく、SEシリーズとして展開したことが、いかに正しい判断だったかが分かりますね。
SEシリーズの進化
初代SEから第2世代、第3世代へと進化する中で、アップル社は常に最新のチップセットを搭載しながら、手頃な価格帯を維持し続けています。
この戦略により、新規ユーザーの獲得と既存ユーザーの維持の両方に成功しているんです。
特に、スマートフォンの大型化が進む中で、コンパクトなサイズを求めるユーザーの受け皿としても、重要な役割を果たしているといえます。
iPhone SE4がいよいよ登場か
2025年になり、いよいよiPhone SE4への期待が高まっていますよね。
業界アナリストたちの予測によると、iPhone SE4は2025年前半にも登場する可能性があるとされています。
SEシリーズの特性上、価格は依然として手頃な価格帯を維持するのではないでしょうか。
個人的には、SEシリーズの新たな進化の形を見せてくれるのではないかと楽しみでなりません。
iPhone7Cが実現しなかったのはアップル社の戦略
iPhone 7Cという噂は、結果的には実現しませんでしたが、アップル社の廉価版iPhone戦略を考える上で、非常に興味深い事例となったのではないでしょうか。
iPhone 5cからSEシリーズへの転換は、単なる製品ラインの変更ではなく、アップル社のブランド戦略の転換点だったと言えるでしょう。
「安価」というイメージではなく、「特別なモデル」という付加価値を提供することで、プレミアムブランドとしてのポジションを守りながら、市場のニーズに応えることに成功したのです。
今後も、SEシリーズがどのように進化していくのか、とても楽しみですよね。
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