UFCS(Universal Fast Charging Specification)という急速充電規格について解説します。
スマートフォンの充電性能は日々進化しており、急速充電が当たり前の時代に突入していますが、その中で新たに登場したのが「UFCS」という充電規格です。
UFCSは、Huawei・OPPO・Vivo・Xiaomiといった中国のスマートフォンメーカーが主となり共同開発したもので、いずれ日本市場でもUFCS充電に対応した端末が登場すると言われています。
本記事では、このUFCS充電についてメリット・デメリット、従来の充電規格との違いについて解説し、今後のスマートフォンの展望について深掘りしていきたいと思います。
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UFCS充電とは何か?
UFCS(Universal Fast Charging Specification)とは、中国のスマートフォンメーカーが主体となって共同開発した急速充電規格です。
さまざまなスマートフォンメーカーが独自の高速充電規格を開発しています。
急速充電には、スマホメーカーや業界団体が独自に開発した規格もあります。たとえば、「Google Pixel Stand (第 2 世代)」はスタンドタイプのワイヤレス充電器で、対応する Google Pixel に対しては最大 23 W、Qi 認証済みデバイスに対しては最大 15 W の電力を供給し、静音型の冷却ファンも搭載しています。
(引用元:Android公式)
しかし、基本的には独自規格は自社の端末にしか対応していないために、互換性に乏しいというのが難点です。
これまでは、高速充電ができるスマートフォンであっても、他社の充電器では最大速度で充電できない場合がありました。
そこで、複数のスマートフォンメーカーが企業の垣根を越えてUFCSという充電規格を開発し、異なるメーカー間でも同じ充電器で高速充電が使えるようにしようという試みが生まれました。
UFCS充電はどのメーカーが開発してる?
UFCS充電を主として開発しているのは、中国のスマートフォンメーカーです。
具体的には、Huawei(ファーウェイ)、OPPO(オッポ)、Vivo(ビボ)、Xiaomi(シャオミ)の4社がUFCSの開発に参加しています。
UFCS充電に対応した充電器を使う場合、これらのメーカーが手がけたスマートフォンならば、どの企業の製品でも同様に急速充電が使えるようになるかもしれません。
1台の充電器で完結するとなればユーザーにとっても利便性が高いです。
いちいち充電器を買い替える必要が無くなれば節約にもなりますし、破損のリスクも減るでしょう。
Xiaomiのスマホでやってはいけないこと
・Xiaomiのスマホ用純正充電器を使ってXiaomiのスマホ以外を充電すること
→相手がぶっ壊れます
・Xiaomiのスマホを純正以外の充電器で充電する
→Xiaomiのスマホがぶっ壊れますこれ、最近のHuaweiのスマホも同じですのでご注意を!!
— ミルキー工業 (@Adorablemilky) June 18, 2024
現状、日本市場でUFCS充電に対応したスマートフォンはリリースされていません。
しかし、XiaomiやOPPOなど日本ユーザーのシェアを拡大中のメーカーも含まれるため、いずれは恩恵を受けられるようになりそうですよね。
UFCS充電のメリット
UFCS充電のメリットはいくつかあります。
まずは、異なるメーカー間であっても規格さえ合えば、1つの充電器で同じように急速充電が可能であることです。
いちいち機種に合わせて対応充電器を探したり、購入したりしなくても良いので、充電周りの煩雑さが減ってスマートに管理できます。
そして、USB-PDとの互換性がある点も見逃せません。
UFCSは、USB Power Delivery(USB PD)とも互換性があるので、世界に広く普及しているUSB-PD対応のスマートフォンならば、問題なく充電できる可能性が高いです。
また、シェアの高いUSB-PDとの互換性を持つことで、事業価値が高いとみなされ、UFCS規格を採用する企業が今後増えるかもしれません。
そうなると、UFCS充電が使える機種が増えていくでしょうから、ユーザーにとっても機種選びの選択肢が広がるため、メリットとなります。
UFCS充電のデメリット
比較的新しい機能であるUFCS充電は、まだ対応機器が少ないというデメリットがあります。
仮に、UFCS充電対応の充電器でバッテリーを充電すること自体は可能でも、規格が合っていなければ最高速度での充電はできません。
AppleやSamsung、Sonyなどのデバイスは2025年時点ではUFCSに対応していないため、すべてのユーザーにとって有用とまでは言えないでしょう。
さらに、UFCSはUSB PDとは互換性がありますが、QualcommのQuick Charge(QC)などとは互換性がありません。
これらの充電規格を使用しているスマートフォンでは、このままだとUFCSの恩恵を受けられない可能性があります。
UFCSの場合は現在33W程度の出力に対応している充電器が主流ですが、たとえばUSB PD 3.1は最大240Wまで対応可能です。
USB PD は、 Android スマホでよく使われている USB Type-C® を用いた規格のため使いやすく、W 数は製品によって異なりますが最大で「240 W」の大きな電力を供給できます。そのためスマホだけでなく、タブレットやノートパソコンなどの大型デバイスへの給電も可能です。
(引用元:Android公式)
つまりUFCSは今のところ、ノートPCやタブレットなど、高出力充電には向いていない可能性があります。
UFCS充電と他の充電規格の関係性
UFCS充電と他社の充電規格との関係性を見ていきましょう。
名称 | メーカー | 最大出力 |
Super Fast Charging | Samsung | 45W |
VOOC/SUPERVOOC | OPPO | 67W |
Super Charge Protocol | Huawei | 66W |
HyperCharge | Xiaomi | 120W |
FlashCharge | Vivo | 120W |
※機種によって異なる
このように、各社はそれぞれ独自の高速充電規格を設けています。
Xiaomiなどは、日本でもすでに高速充電を売りにしたスマートフォンを複数台発売していて、これまでにも人気が出ていますよね。
高速充電はユーザーにも人気が高い機能であるため、各社が力を入れているのも納得です。
この表のうち、OPPO以下がUFCS充電の開発に携わっていますが、中国市場は高速充電に特化している企業が多いことがわかります。
ただし、スマートフォン自体はいずれもUSB-PDと互換性がある機種が多いです。
各社の独自充電器を持っていなくても、PD対応の充電器を持っていればバッテリーを満たすことができるんです。
たとえば、日本のSONYやSHARPなどのメーカーは、スマホにUSB-PDでの高速充電を採用しています。
どこまでの高速充電性能を求めるかというのは人それぞれで「あまり高速でなくても良い、そこそこのスピードで十分」というユーザーもいます。
また、USB PD 対応のケーブルは、製品によって電流の数値が 3 A や 5 A などと異なる場合があり、選択に悩むかもしれません。しかし、USB PD の充電器は、最大 W 数の範囲内でスマホやケーブルに最適な A や V を自動で選択してくれるため、A 数にはあまりこだわらず、必要な W 数で判断するとよいでしょう。
(引用元:Android公式)
UFCS充電が高速充電規格として大きなシェアを得たい場合は、USB-PDを上回る利便性、メリットを幅広いユーザーに提供しなければならないでしょう。
UFCS充電は普及するか?今後の展望
UFCSは、中国の主力スマートフォンメーカーの4社が開発に参加しているため、今後アジア圏を中心に普及が進む可能性があります。
特に、中国の国内市場では、今後は主流規格になる可能性すら高いのではないでしょうか。
UFCS充電にはスマホメーカーだけでなく、充電周りを扱うメーカーも開発に携わっています。
すでに充電器などのアクセサリは市場展開を始めていますから、ゆくゆくは日本でもUFCS充電規格のスマートフォンが発売されるだろうと言われており、期待が高まりますね。
しかし、世界規模で考えた場合はどうでしょうか。
iPhoneを扱うAppleや、対抗馬となるGalaxyのSamsung、PixelのGoogleなどが採用しなければ、世界全体での標準規格には加われないかもしれません。
もし今後、UFCSにより多くのメーカーが参加すれば、「どのスマホでも同じ充電器で急速充電できる」という理想の環境が実現する可能性があります。
UFCS充電の規格がより普及するには、他の充電規格との互換性や、オリジナルの魅力、他社のスマホであっても高速充電が可能かどうかが、非常に重要になってくるでしょう。
UFCS充電のスマートフォンに期待しよう
UFCSは、Huawei、OPPO、Vivo、Xiaomiなどの中国メーカーの間で、統一した高速充電規格の試みとして注目されています。
USB PD規格との互換性があるため、今後の市場展開を踏まえても大きなアドバンテージになりそうですね。
しかし、SamsungやApple、Sonyなどの大手メーカーはこの規格を採用していませんので、今のところ全てのスマホで便利に使えるとまでは言えません。
「これさえあればどのデバイスも急速充電できる!」という規格になるには、まだ時間がかかりそうです。
Huawei・OPPO・Vivo・Xiaomiのユーザーは、今後登場が予想されるUFCS充電対応スマートフォンの情報を引き続き注視していきましょう。
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